EMとは、Effective(有用な) Microorganisms(微生物群)の略で、その頭文字からEMと呼ばれています。 これは、1982年に琉球大学農学部の比嘉 照夫教授によって発見されました。
EMには安全で良い働きをする微生物が10属80種類含まれていて、乳酸菌、酵母菌、光合成細菌(好気性、嫌気性)が共に働いてEMを作り上げています。
EMに含まれる微生物
●EMに含まれる代表的、かつ重要な働きをする3種類の菌
光合成細菌
光合成細菌は紅色無硫黄、紅色硫黄、緑色硫黄細菌の三群沼土などに多く、EMの中心的微生物で有害物質を浄化し、抗酸化物質を生成します。
湛水状態にある有機物の多いところを好む嫌気性菌。水田土壌やレンコン栽培土壌には非常に多く、イネの根腐れを起こす硫化水素や悪臭のもとになるメルカプタンなど、作物に有害な物質をエサに、高等植物なみに光合成を行なう異色の細菌。環境を浄化する働きとともに、土の肥沃化に貢献する。乳酸菌などの好気性微生物と共生すると、相互に働きが活性化される。
乳酸菌
有機物を発酵する力が強く、有機物を生成し、病原菌の繁殖を抑制します。
糖をエサに乳酸などの有機酸を多くつくり出すのが特徴。条件的嫌気性菌で、嫌気的な条件で乳酸をつくるが、酸素があっても平気。
酵母菌
有機物を発酵する力が強く、菌体がビタミンやアミノ酸を多く含んでいます。
自然界では熟した果実(特にブドウ)の表面などに多く、糖をエサに様々なものを合成する力が強い。糸状菌(カビ)の仲間だが、カビ特有の長い菌糸はつくらず、カビの胞子が独立したような丸い形で、カビと細菌の中間的な性質をもつ。酸素があってもなくても生活でき、酸素のない状態では糖からアルコールをつくり、酸素があると糖を分解して各種のアミノ酸、有機酸を合成する。
有用微生物って何?
微生物には人間にとって有用な微生物と、害をもたらす微生物がいます。
例えば、EMに含まれる中の代表的な3種類の菌、乳酸菌は有機物を発酵させたり、悪玉菌の活動を抑えます。酵母菌も有機物を発酵させる力が強く、また菌そのものが栄養分のかたまりで作物にいい影響を与えます。光合成細菌はEMの中心となる微生物で、汚染を無害化する働きがあります。これらの微生物がバランスよく働くと、他の有用微生物も活性化し、効果があらわれてくるのです。
EMは、自然界に生息する有用な微生物を集めて培養したもので、人工的につくり出しているものではありません。EMに含まれる微生物のほとんどは、酒やみそ、チーズなどの発酵食品に使われている微生物と同じ仲間です。
EMの抗酸化作用
抗酸化とは、文字通り「酸化を防ぐ」という意味です。
食べ物が腐ったり、鉄が錆びたり、コンクリートが老朽化してもろくなったりなど、物が劣化していくのは、有害微生物や、化学合成物質が働いて酸化が進むからです。また、私たちが病気になるのも、体の中での過剰な酸化(活性酸素)が主な原因になっていると言われています。EMには、畑の土壌環境をよくする、有害微生物を抑える、食物や資材を長持ちさせる、生ゴミを発酵させて質の良い有機肥料にする等の働きがあります。こういった「物を腐らせない」「物を酸化させない」という働きが「抗酸化作用」なのです。EM-Xは非常に優れた抗酸化力を持っていて、活性酸素の害を抑えてくれます。