vol.12 サービス7割

2013/5/8


ミラテックは印刷会社ですが、仕事には広告制作も多くあり、クライアントの業績に関してはこれまで本当に様々な結果を見て参りました。

商売は「人、モノ、金」と言いますが、実際には商売をする上で、モノと金には目が行きますが、人に関してはなかなか難しいのでしょう、うまくできていないお客様が多くいらっしゃいます。物を買う、取引をするという事は、残念ながらモノだけでは永続しません。商売は人と人とで行われています。たとえ今日のようにネット通販が盛んになり、人と人とがコミュニケーションをしなくなったように見えても、やはり人と人との取引なのです。それはITのシステムも人が作るからです。

お客様というのは怖いものです。応対が悪ければ注意されますし、満足して頂けなければ不満を言われ、仕事を失敗すれば怒りを買い、それなりの評価を下されます。人間関係が悪化すれば精神的に苦しむでしょう。そういった人間関係の煩わしさが嫌で人と接しなくてもよい職種を選ぶ人も多くいます。また会社を辞める理由も人間関係が原因となることが本当に多いのも事実です。しかし、お客様とのゆるぎない絆は商売の永続を約束してくれます。

商売をする上で「人」ほど大切なものはなく、サービスは人にしかできませんし、会社を成長させていく上では人の成長が欠かせません。すべてにおいて最後は「人」なのです。商売柄、様々なクライアントの急成長や問題を見続けていますが、その要因の大半がサービスによるものであることは間違いのない事実なのです。「サービス7割」とは私たちが長年の仕事の中で行きついた一つの結論です。商品開発にも「サービス精神」が生み出される商品の価値に大きく影響をしています。どれだけ商品や営業メニューとしてのサービスが優秀でも「人のサービス」すなわち真心あるサービスがついていかなくなると売り上げは目に見えてダウンします。言い換えれば企業の永続的発展は「心のこもったサービス」次第であるという事です。そのことは「単価の高い商品やサービス」を提供する会社ほど特に顕著に表れます。これは私たちが見てきた事実で、本当にサービスの質を高めるほどに売り上げは物凄い勢いで増えていきます。逆に単価の高い商売では、サービスが低下すると歯止めがきかないほどに売り上げは下がり続け、サービスの低下は悪評であることが多いために回復も大変です。そしてそういうピンチを救うのも、やはり「人」です。営業担当者が変わったとたんに売り上げが回復する例はいくらでもありますし、飲食店などでは味だけではなく特定のウェイター、ウェイトレスにお客が付いていたり、名物社長など、人が媒体となって集客ができている例はいくらでもあります。

単価の高い商売は「サービス7割」、残り3割が商品価値です。単価が高い以上、商品はそれなりの価値を求められ、価値を有しているのは当たり前です。そしてその価値を十分に証明するには商品価値をはるかに凌ぐハイレベルなサービスが必要です。だから「サービス7割」なのです。単価の高い商品を買うお客様は富裕層、あるいは大企業です。彼らがサービスや信用を第一に考えること、購入や取引においてハイレベルな接客応対を要求することは当たり前の事なので、「サービス7割」もまた当たり前の事なのです。人間が直接行うサービスは常に高いものですし、はっきりしていることは「価値ある商品+最高のサービス=商売繁盛」という事実です。

安物は商品そのものにお金が支払われ、お客様には何の感動もないが、高級品、単価の高いものはサービスや心地よさに大半のお金が支払われる。しかも大満足をして喜んで支払われる。一方で、安物はその価値が期待外れでも「どうせ安物」で許されてしまう事が多いが、高級品、単価の高いものは商品価値の期待外れ、サービスの期待外れがあった時には高額を支払っただけにお客様の怒りを買い、怒りは悪評へとつながるため業績に大きく影響を及ぼす。

企業は成長するために様々な努力をします。商品開発、技術開発、売り場開発、販路開拓、技術開発、経営システム、広告戦略、イメージアップ、人材育成・・・。その中でメニューとしてではなく人と人、商品とお客様との最高の橋渡しとなる「サービス開発」が重要だと考えられる会社は何パーセントあるのでしょうか?「サービス開発」は片手間でされることが殆どですが、実は「サービス開発」こそが、売上アップや広告効果にとんでもなく大きな影響を与えているのは間違いありません。

印刷会社の仕事において「広告作り」の場合、お届けするのは販促効果という「結果の提供」です。そして販促効果を最大限発揮する元となるのはクライアントが展開する「最高のサービス」ということになります。私たちは商品価値と共に、クライアントの最高のサービス精神を広告に表現しようとします。商品がいかに優秀でも常に競合する新しい商品が他社から生み出されるという商売の宿命において、それでもお客様に継続して自社商品を買って頂くための最後の砦が「お客様に愛される」という事であり、愛されるためには愛される努力の継続と向上、すなわち「サービス開発」の継続が欠かせません。

「サービス7割」私たちも残念ながら完璧ではありませんから、これを怠ってお客様からのお叱りを頂くこともあります。だからこそいつも「サービス7割」を自分に言い聞かせ続けています。印刷会社としてクライアントと「サービス7割」を共有する重要性は計り知れません。